F1News ここからが本当に面白い!2024年F1前半戦総括 writer eruzu

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今年のF1を総括していきたいと思いますが、結論としては「シーズン後半戦が本当に面白くなる予感しかない」前半戦でした。

3つのトピックスで、2024年のF1を振り返っていきます。

①14戦で優勝者が7人の混戦模様!

まず、ここまでのシーズンにおける優勝者は、「レッドブルのフェルスタッペンが7勝」、「フェラーリのサインツとルクレールが1勝ずつ」、「マクラーレンのノリスとピアストリが1勝ずつ」、「メルセデスのハミルトンが2勝、ラッセルが1勝」と、4チーム7名でした。
フェルスタッペンが全レース中半分に勝利しているのですが、序盤の7戦で5勝を挙げており、シーズンが進むにつれて勝てなくなってきました。
それだけ、他チームのマシンが仕上がってきているという証拠だと思います。

ちなみに、昨シーズンのF1をご覧になられた方には周知の事実ですが、昨年フェルスタッペンは22戦中19勝を挙げており、優勝争いという意味では正直“退屈”に感じてしまう程の圧勝ぶりでした。

なので、昨年と比較すると今年はどれだけ混戦になっているのかが、分かりやすいと思います。フェルスタッペンは今シーズン、ドライバーズランキングでは、2位以下を78ポイント以上リードしていますが、徐々に焦りも出てきているようなレースも散見され、まだまだ王者争いはどうなるか分かりませんね!

また、ノリスとピアストリのマクラーレン勢は2人ともF1初勝利を記録しており、勢いもあるので、更なる跳躍が期待されますね!

②ドライバー市場が超活発!

現状、世界で僅か20名分しかシートの無いF1界。物凄く狭き門であるが故に、トップオブトップの実力を持ちつつ、スポンサーを連れて来れるような魅力もありつつ、強運も無いといけないという職業がF1ドライバーです。
その座を狙う人はたくさんいて、いつもレギュラードライバーはシート喪失のプレッシャーとも戦っていますが、実は2024年は“昨年からドライバー移籍や変更が全く無い”という
史上初の出来事が起こりました。
色々と理由はあったのですが、チームスポーツの醍醐味の1つでもあるのが“移籍”ですよね。サッカーや野球などでも、選手が移籍するたびに報道される程、注目を集め、ファンをワクワクさせる要素でもありますが、昨年のF1ではその興奮が全く生まれませんでした。

しかし、今年は違います。実は、2026年(2年後)にF1マシンのルールが大きく変わる予定が立てられています。今回は長くなってしまうので、あまり触れずにおきますが、F1マシンに新たな技術が導入されたり、重要な空力パーツのルールが変わったり、マシン重量にも変更が出たりします。大きくルールが変わる年は、どのチームにとっても非常にチャレンジングです。今まで強かったチームが開発に失敗して下位に沈み、意外なチームが浮上してくる、なんていう一発逆転のチャンスでもあるのです。

そんな超重要な2026年シーズンに備えて、今年のドライバー市場は昨年の静けさが嘘のように活発でした。F1チームにとっては、大きくマシンが変わる2026年にドライバーも大きく変更してしまうと、ドライバーがチームやマシンに慣れる時間もかかってしまい、他チームよりも出遅れる要素が増えてしまうので、出来れば2025年から2026年のドライバーは変えたくないのです。
という事で、ドライバーを変えるのであれば実質2024年がラストチャンス!となりました。

まず、衝撃的だったのは、メルセデスで黄金期を築き上げた7度の世界王者ハミルトンがフェラーリに移籍する事が、2024年シーズンが始まる前に発表されました!
まだレースが始まる前から移籍“競争”が勃発!しかも超ビックネームがビックチーム間を移籍するというとんでも無いバクダンがいきなり投下され、ドライバー市場はパニック状態に!

ハミルトンの移籍によって、フェラーリの現ドライバーであるサインツは来年のシートを喪失した為、就職活動を開始。フェラーリの現役バリバリのトップドライバーが市場に流れてきたので、下位チームはチャンスだと大騒ぎ!
更にシーズン中盤には中堅チームであるアルピーヌのオコンも今シーズンで契約終了が発表されたり、王者レッドブルはセカンドドライバーのペレスが契約延長されたがまさかの
絶不調で解任の噂が出るなど、大盛り上がりでした。

そして、夏休み前にポンポンとシートが埋まり出し、サインツはウィリアムズ、オコンはハースへと移籍する事が発表されました。これにより“押し出される”形でシートを失うドライバーがまた市場に流出しているのですが、
明確に発表が無いシートは残り4つ。しかもこの中にはトップチームであるメルセデスのシートが1つ含まれており、まだまだ移籍の話題で盛り上がりそうです。

ちなみに、まだF1でほとんど走った事の無いルーキー勢が来年のシートを手にする事も期待されており、フェラーリのジュニアドライバーである19歳のベアマンはハースのシートをゲット!残った4席のうち3席はアルピーヌ、レッドブル、メルセデスとジュニアドライバーが豊富なチームなので、来年は新人デビューラッシュになるかもしれませんね。

③日本人ドライバー 角田裕毅 が“跳躍”!

最後が、唯一の日本人ドライバーである、角田裕毅選手の活躍です!
角田選手は、2021年にデビューし、今年が4年目です。F1に乗るまでは国内~海外のジュニアカテゴリーをほぼノンストップで駆け上がって、F1デビュー戦でいきなり入賞を果たしたまさに“逸材”です。
ただ、過去のシーズンではまだ経験が浅い事もあってか、ミスによってクラッシュしたり、ポイント獲得のチャンスを逃す事も多々ありました。
私は角田選手のファンであり、応援していますが、そんな私でさえも正直HONDAの支援が無ければシートを失っていたもおかしくなかったかな?と思ってしまうような瞬間もありました。なぜなら角田選手はHONDAのジュニアドライバーであると同時に、レッドブルのジュニアドライバーでもあり、レッドブルには角田選手よりも更に若い世代の優秀なドライバーが控えているからです。交代させられるプレッシャーと常に戦ってきたと思います。
そんな角田選手は、今シーズンは特に序盤戦はマシン性能も上向いた事もあり、コンスタントにポイントを獲得し続けています。チームメイトは優勝経験もあるベテランのリカルドですが、彼よりも予選・決勝どちらも上回っており、チームのエースは間違いなく角田選手と言えるほどの活躍を見せています。

その背景には、これまでの失敗から学び、精神的にも強くなってきたという角田選手の成長があります。

角田選手が所属するレッドブルは、2026年からはアメリカのフォードと組む事が決まっており、HONDAは別のチームであるアストンマーチンと組む事になっています。
角田選手はどちらのドライバーでもあり、今はレッドブルとHONDAが手を組んでいますが、2年後には分かれる為、“どちらか”を選択する必要に迫られています。

といっても、HONDAが組むアストンマーチンには大ベテランのアロンソ、チームオーナーの息子のストロールが所属しており、現状シートには空きがありません。

レッドブルの方は、エースのフェルスタッペンがメルセデスに移籍する可能性が噂されていたり、上述の通りペレスが不調でシートを失う可能性もあります。

これらの事から、角田選手はもしかすると育ての親であるHONDAを離れ、レッドブルドライバー1本としてやっていく事になるかもしれません。

もっというと、ドライバーとしての評価が高いので、HONDAもレッドブルも関係の無い、別のチームからオファーをもらって“跳躍”していく可能性すらあります。

ともあれ、角田選手は今シーズンが過去最も輝いています。契約は2025年までなので、
是非大変革の時となる、2026年以降もF1に留まり、更なる活躍を見せて欲しいですね!

「まとめ」

という事で、色々な要素が組み合わさり、コース内外どちらも大盛り上がりなF1。
ここからが本当に面白いというのは、今シーズンに限らず、ルール変更がある2年後の2026年までノンストップで面白い時間が続くと思います!

「まだF1を見た事が無い」「しばらくF1を見ていなかった」という人は、是非夏休み明けから、F1を見てもらえると、いちファンとして嬉しいです!